異世界の詩

見習い詩人のエオルゼア冒険記ブログ

湯けむりの休息

蛮神タイタンが光となって消えた後、そこには、砕け散ったはずのクリスタルが残されていた。
それを手に取った私は、再び、光のクリスタルが、自分の中の何かを開放するような幻視を見る。

「蛮神タイタンを倒したのね。無事でよかったわ……」

その時、ヤ・シュトラさんが、私達の元へと姿を現した。
どうやら、タイタンを倒したことで、大量のエーテルが蛮風エーテライトへと逆流し、ヤ・シュトラさんが、エーテルを流し込み続けなくても良くなったらしい。
状況の変化に気が付いた彼女は、確認するために、追いかけて来てくれたみたいだった。

「今なら、ゼルマ渓谷にある蛮風エーテライトまで戻ることが出来る。急ぎましょう」

少し調査したいことがあるというヤ・シュトラさんと別れた私達は、ブロンズレイクで落ち合う事を約束して、タイタンの神殿を後にしたのだった。

 

「……よかった、無事会えたわね。ここまで来れば安心よ、お疲れさま」

ブロンズレイクに戻ると、ヤ・シュトラさんが、私達の帰りを待っていてくれた。

「さて、あとはタイタン討伐の報告をするだけね……残念だけど、私はまだ調べたいことが残っているの。リムサ・ロミンサへの報告はお願いできるかしら」

ヤ・シュトラさんの言葉に私が頷くと、彼女は、よろしくねと、私に笑みを返してきたのだった。

「そうそう。このキャンプ・ブロンズレイクは、湯治場としても有名よ。タイタンとの闘いの傷を癒してから、リムサ・ロミンサに向かっても良いんじゃないかしら」

そして、早速、調査に向かうというヤ・シュトラさんが、別れる直前、そんな事を言ってきた。
たしかに、全身傷だらけ、泥まみれな上に、疲労もピークに達している。

私は、その言葉に甘えることにして、早速、温泉を楽しむことにしたのだった。

 

 

「はぁ……気持ちいい……」

タイタンとの闘いを経て、強張っていた体の節々が、温泉の温もりに解きほぐれていく。
温泉の効能が、四肢にしみわたっていく感覚は、とても気持ちが良く、痛みも疲れも吹き飛んでいくかの様だった。

 

聞いた話では、この周辺は、第七霊災以前は、湖の底に沈んでいたのだという。
それが、第七霊災によって地殻変動が起きた事で、水位が下がり、遺跡群が姿を現したらしい。

湖底から見つかった遺跡は、第五星暦時代に、この辺りにあったと言われる、海洋都市ニームに由来するものらしいけれど、詳しい事は判っていないみたい。
ただ、遺跡の中に、温泉が湧き出る施設があり、今でも、その機能が失われていなかったことから、黒渦団は、この遺跡を傷病兵の保養施設として整備したのだという。

実際、このブロンズレイクには、多くの傷病兵が滞在していて、そこかしこで、リハビリに勤しむ姿を見ることが出来る。
また、この保養施設は、黒渦団専用というわけでもなく、グリダニアやウルダハの人は勿論、獣人たちにも広く開放されているという。

ただ、とあるマムージャ族に関しては、彼の個人的な趣向が問題になり、出入り禁止を通告されているらしいけれど。

 

「だいぶ、疲れも取れて来たし、お肌も、つやつやぷるぷるになったし。そろそろ、リムサ・ロミンサへ向かわないとなぁ」

私は、ブロンズレイクで、一番見晴らしの良いテラス席から、歴史のある景色を眺めながら呟いた。
同時に、もう少し、ここでのんびりしていきたいなぁという欲求も生まれてくる。

うーん。
とりあえず、なにか食べてから、考えようかな。

そう思った私は、下にあるマーケットに、ごはんを買いに降りて行ったのだった。

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